一人旅の悲しみ

Lastupdated: Sun, 10/30/2005 20:45

一人旅は気楽だ.食べたいものを食べられるし,行きたいところに行ける.

気まぐれな旅は楽しい.さみしくなったら,ドミトリーの仲間に声をかければ

いいし, いっしょの列車に乗った人と意気投合することもある.

しかし,大皿料理を頼めない,とか,宿代が高くつく,なんていう現実的な

問題のほかに, さまざまな悲しみがある.

 


セルフタイマーにVサイン

初心者がおかしがちな間違いだ.

一人旅だと,自分の写真が取れない.

そこで,僕も小型の三脚を愛用している.

とっているうち,なんかうれしくなっていろんなポーズをとってみたりするが,

そういう時に限って,誰かがとおる.お互いに苦笑い,程度ならいいが,

指差して笑われたりして,結構悲しい.


周りはカップルばかり

旅行者だって,夜景が好きなんだ〜!

都市部の旅行者は,タワーに上ってみたり,有名な建築物を見たりの観光になる.

これが間違いの元だ.

「いや〜いい景色だな〜」

と写真なんかとって,ふと我に返ると,周りのカップルが熱い抱擁を...

「そんなことより,景色みろよ」

とかいっても無駄なんだろうな,やっぱし.


いきなりジョギング

海外旅行では,良く時差の関係で早起きになる.

しかも,朝の4時とかからぱっちり目が覚めてしまうことも珍しくない.

しかし,そんな時間に話し相手はいないし,一人言をいって時間をつぶすわけにもいかない.

そこで,一大決心をする.ジョギングだ.

朝の街は爽快だ.空気も涼しいし,犬の散歩をしている人に挨拶したりする.

今日から,毎日やろうと思い,走りながら,明日のコースを練ったりする.

で,次の日は筋肉痛でそれどころではない.


トイレットペーパーと私

アジア圏の旅行では,飲み水に細心の注意を払う.

腹には自信があっても,侮ってはいけない.

あれは,いきなりくるのだ.

食事,飲み物の氷,サラダを洗った水,歯磨き,シャワーまで,注意を行き届かせる.

でも,だめだ.

トイレットペーパーが無い国もあるので,荷物に入れておいた秘蔵のトイレットペーパーを

枕元に置き,常に臨戦態勢で望む.誰も助けてくれない.これは,自分との戦いだ.

この場合の悲しみは,一人旅に限らない.

ほかの人がみんなで楽しそうに出かける場合もある.

苦しんで寝ている写真を撮るやつさえいる.

次は,君の番だよ,と心の中で,密かにつぶやく.